宝船の貯金箱

宝船とは、七福神が乗る宝物を積み込んだ帆船、または、その様子を描いた図のことと言われています。また、新年を表す季語とされています。

 七福神とは、「七難即滅、七福即生、万世安楽、帝王歓喜し給う」と言う、[仁王経]の言葉から、室町中期に成立したのが七福神信仰の始まりで、以来、今日まで、人々に福をもたらす7人の神様として崇敬されています。
 七福神は、次の通りです。

恵比寿七福神のうち、ただ1人の日本の神様で、夷三郎とも言われます。(でも、やはり外国人という説もあります。)航海、漁業、商売繁盛の神様として、広く信仰されています。
大黒天:大きな袋を肩に掛けた大黒様は、糧食の神様、開運招福、五穀豊穣の神様として、恵比寿様と共に、七福神の中でも特に親しまれています。
布袋:立っても、坐しても、横になっても、厚い胸と大きなお腹を出して大笑いする円満な姿で、世の中の清濁を全て呑む大度量を示しています。堪忍や和合を司る神様として崇められています。また、弥勒菩薩の化身とも言われています。
福禄寿:頭が長い福禄寿は、人望と知恵を授ける神様です。枕に経巻を結び、鶴を伴う姿もあり、中国では、古来、南極星の化身とも言われています。
寿老人:長寿を授ける神様で、寿老人に従うものは、千年を超えた青鹿と五百年を過ぎた玄鹿で、我々の長寿福徳を祈ると言われています。
毘沙門天:仏教四天王の1人で、多聞天とも言われています。念怒の形相で、左手に宝塔、右手に宝棒を持ち、仏法守護、福徳授与の神様として崇められています。
弁財天七福神のなかで、唯一の女性の神様です。芸能・財宝の神様と言われ、奏でる琵琶の妙音は、全ての者に幸福をもたらすと言われています。
  

 上は、昭和時代の宝船の貯金箱、高さ10センチに満たない小さな物で、七福神の判別も定かで無いが、今だ色鮮やかで゜、見応えが有ります。
      
近年の宝船貯金箱のいろいろを紹介します。

 当館収蔵の一番大きな宝船貯金箱です。高さが50センチ、幅60センチ有ります。強化プラスチック製で、かなり重いものです。細部まで、良く造作されています。
  

 上の写真、今様の賑やかな宝船貯金箱、インテリアとしても重宝されています。
  

 左写真、招き猫を中心に、ダブル縁起物宝船貯金箱です。右側は、招き猫による七福神の変形宝船貯金箱、いろいろ有ります。
     
下は、平成15年 ミントセット(敬老貨幣セット)です。毎年、造幣局より、硬貨製造技術を知らしめる為、販売されているもので、七福神の宝船が採用されています。