蔵の貯金箱

 蔵の貯金箱は、明治時代の代表的な貯金箱です。当時は、大事な財産などを、頑丈で、火災にも強い土蔵に収めていました。たくさんの蔵の数が、その家の豊かさを現わすものでした。これらから、蔵の貯金箱は、庶民の豊かさへの憧れ、象徴としての気持ちが現れている貯金箱だと言われています。








































 上の写真、左側、明治時代に作られた京都伏見の土製貯金箱。高さ31センチ、幅18.5センチ、奥行き18センチです。壁の上部に宝珠と鍵、真ん中に大黒さんが描かれています。右側、明治20年代に作られた土製の京都古伏見貯金箱。高さ11センチ、幅8センチ、奥行き7センチです。いずれも、お金の出し口が無く、明治時代の貯金箱は、「地獄落とし」と呼ばれ、壊さなければ、中のお金は取り出せません。左側の蔵の貯金箱には、何時の時代に入れられたものか、カラコロとお金の触れあう音が聞こえます。
 





















 上の写真、昭和30年代前後の有名ブリキメーカー、マルサン製ブリキ貯金箱で、入口の扉に、金色に輝く大黒様がデザインされ、「大黒様黄金蔵」と言われています。これは、海外のコレクターにも珍重されている様です。また、屋根の上の鬼瓦も、魅力的です。右側の貯金箱は、デザインが違っています。これは、マルサン商会→青真商会→青木商会と作り継がれていたので、いろいろなデザインのものが存在する様です。お金の出し口は、蔵の正面扉で、鍵で開けられる様になっています。



























 上の写真、最近の陶器製蔵の貯金箱です。お金の入れ口は、一寸解りにくいですが、正面真後ろの裏窓に入れ口があります。出し口は、床を動かすと、外れる様になっていて、幾分、カラクリ仕様になっています。頑丈に出来ていて、長持ちしそうです。