布袋の貯金箱

 布袋の貯金箱は、明治時代の中頃から、七福神の一人として作られ始めました。布袋さんは、開運・良縁・子宝の神様として信仰されています。
 布袋さんは、中国の唐の末期、淅江省に実在し、本名が、釈契此と言う僧であったと言われています。吉凶を占えば、必ず当たると言われる程の凄い能力者であったそうです。常に半裸で、大きな袋を肩に担ぎ、身の回りの物は、すべてその袋に入れていたことから、布袋和尚と呼ばれるようになったと言われています。布袋さんのどの顔も、いつもニコニコ柔和な良い顔をしています。弥勒菩薩の化身とも言われています。
 


 上の写真、形、大きさに多少の違いがあるものの、どれも柔和な良いお顔をしています。大正時代以前に作られたと思われますが、素焼きで、手にずっしりと重みを感じます。後姿も、どっしりとしていて、重みがあります。お金の入れ口も、小気味よくしっかりと作られています。真ん中の布袋さんの高さは、20センチを超え、どれもなかなか状態の良いものです。いずれも、いったんお金を入れたら、壊さない限り出せません。ご覧の通り、底は、穴一つなく奇麗な仕上がりです。
 

上の写真、これも古い素焼きの布袋貯金箱です。大きさも20センチ前後のものです。布袋さんとしては、一寸明るみに欠けた微笑みです。長年に渡り、神棚などに祀られていたものと思われます。勿論、お腹の中には、お金は有りません。背中のお金の入れ口も、しっかりと作られていますが、右側の貯金箱の入れ口が変わっています。もしかすると、入れたお金が出せるかも。こういう貯金箱があるのでしょうか。それとも違う使い道のものなのか。何か意味が有ってのものなのか、現在、私には解りません。

 上の写真、カラフルな布袋貯金箱、高さ10センチ位、戦前のものと思われます。陶器製で、状態は良好です。左側の貯金箱、担いだ袋の表面に、布袋さんを除く六福神が描かれていて、縁起も良く、面白い着想の貯金箱になっています。右側も、一寸変わった布袋貯金箱で、愛嬌が感じられる珍しいものだと思います。カラーの後姿も趣があります。

 上の写真、左、カラフル、右、シンプルな布袋貯金箱。いずれも高さは、35センチ位、インテリアも兼ねた貯金箱です。陶器製で、軽めに出来ています。床の間等の置物として、良く見かけますが、これは貯金箱で、背中にお金の入れ口があり、底から出せる様になっています。戦後の最近のものでしょう。
 

 上の写真、戦後のもの、どれも良いお顔をしています。