日本の貯金箱の特色

主として戦前、今でも伝統的には感じられる特色です。

1.割らなければ、お金が出ない。
  欧米のものは、鍵つきが多く、日本は、割らないと取り出せないタイプが主力です。鍵つきのものは、必要に応じて使え、リサイクル可能ですが、日本のものは、割らないと取り出せず、一杯に成るまで、ひたすら貯めることになります。これは、日本の貯金箱が、「貯める」器として登場したのに比べ、西欧のものは、「献金」の器として現れたという文化の違いによるものとも言われています。


2.縁起を担いでいる。
  お金が貯まるように、縁起の良いものを貯金箱にしました。恵比寿・大黒・布袋などの七福神福助・お多福・達磨・招き猫・宝珠・蔵などです。しかし、外国でも、金の卵を産むニワトリ・勤勉な蜜蜂と蜂の巣・幸運を呼ぶてんとう虫・慎重な亀・かしこい象・多産な豚など、縁起物の貯金箱はいろいろ有ります。

3.お金を入れる、穴の位置が違う。
  欧米の貯金箱は、人形でも頭のてっぺんに穴をあけますが、日本の場合は、入口の穴を工夫するようです。例えば、大きな布袋様は、口からお金を入れるようにし、小さな恵比寿様には、千両箱を積んで、そこに穴を開け、福助などは、背中に穴があります。頭のてっぺんに穴を開けるなんて、可哀想と言う感情は、理屈抜きのもので、「情緒的な貯金箱」と言われる所以です。


参考:世界貯金箱博物館 他